汚物抜取装置
車両基地で汚物タンクから排せつ物を完全回収する方式に移行して、40年以上の歳月を共に歩んで参りました。
長寿命のうえ清潔で能率よく汚物回収を行なう装置 (通称 S管)として、すでに4,000基を超える納入実績を持ち、高い評価をいただいております。
特 長
苛酷な回収条件に対しても安全で、しかも長寿命です。
金属製ですので、ゴムホースのように摩耗・腐食・膨潤せず、圧力損失も小さく、経済的に汚物を抜き取り回収する事ができます。
可動部はボール・ベアリングを使用したスイベル・ジョイントを採用。
漏洩部には特殊パッキンを装填しているため、摩擦力も小さく、いかなる汚物も漏洩なく流過させることができます。
作業範囲内においていかなる位置でも流体が自然流過。
列車汚物タンクのカップリング装着時に、最適な傾斜をもたせて設計されておりますので、タンク内汚物は何の抵抗もなしに、スムーズに回収することができます。
先端カップリングと本体の中間に、特殊設計の特製ゴムホースを使用。
スイベル・ジョイントの回転とゴムホースの柔軟性とのコンビネーションにより、汚物タンクとのカップリング着脱作業を迅速に行うことができます。
関 連 製 品
オーバーホール
長期にわたり使用していると、スイベルジョイント部の摩耗や老朽化による回転不良・固着が発生し作業に支障が出てきます。定期的なグリスアップを行っていても、回転が重い、ガタつくなどの問題が発生した場合はご相談ください。
引取修理となりますが、各部品の分解・洗浄・点検を実施し 必要に応じて部品交換を行うことで、本来の性能状態まで元に戻すことができます。
輸送障害・労働災害防止対策の取り組み
輸送障害防止や労働災害防止の観点より、抜取装置が車両に取り付いたままの誤発車に対し、被害を最小限に抑えるよう積極的に取り組んでいます。
抜取装置が車両に取り付いた状態で発車した場合、ホースがちぎれる可能性が高く、破断時の衝撃は計り知れません。万一、ホースが抜取アームから外れ、車両側に付いたまま走行すれば、さらなる被害の拡大が予測されます。
車両や基地設備の損壊を最小限に抑えるために、抜取装置に負荷が掛かった場合、抜取カップラー接続部のホースから外れるよう検証を進め、締め付け方法を見直しました。
見直しにあたり、従来から懸念された透明ホース専用パワーバンドの締め付け後における、ボルトの飛出しによる思わぬ怪我の防止対策にもなります。
これからも、安全性の向上に取り組んで参りますが、お気づきの点、至らない点などございましたら、ご遠慮なくご指摘ください。